オリブロ

オーストラリア在住、2人の子供のシングルママ。

30年の時を経て 友の手紙

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幼少期から大学で家を出るまで育った家を売却した。

 

数年前家売却に向かって、私は山ほど置いてあった自分のモノを選りすぐり6つの段ボールに詰めて船便でオーストラリアに送った。

 

いわばこの段ボール6つが私の日本での持ち物の全て。

 

子育てに忙しくその段ボールのほとんどは届いた状態のまま長年しまっていたのだが、この年末年始、まとまった時間が出来たので意を決して整理する事にした。

 

手つかずだった箱のうちの2つ。

 

一つには、歴代の卒業アルバムとそして写真が山のように入っていた。

 

そしてもう一つの箱は、手紙。

 

アラフィフ世代。

 

高校生まで、友人とは電話と手紙が主な交流方法だった。

 

その中でも特に仲の良い友人とは交換日記や交換テープなるものをやりとりしていた記憶もある。

 

毎年の年賀状を初め、それぞれに拘りのある封筒と便せんで。

 

はたまた学校内では日常のルーズリーフやノートの切れ端を使って。

 

何ミリペンで書いたの?って位の小さな文字で小さな小さな紙の切れ端に書かれた、恐らく「オリーブちゃんにまわして」と授業中にクラス内を回ってきたのであろう秘密の手紙も沢山あった。

 

ありとあらゆる色、形、大きさ、折り方の手紙がぎゅうぎゅうと詰まっていた。

 

懐かしさで当時にタイムスリップし、戻って来るのに数日を要した。

 

そして、大変な思い違いに気づく事となった。

 

多感で未熟な時期の女の子という生き物はなんせ気まぐれで残酷だ。

 

ちょっとした事で「仲間外れ」をする。

 

そしてグループ内の仲間なのに、順番で無視をされる番が回って来る。

 

その理由は、好きな人が一緒だったから、とかそんな事。

 

くだらない事この上ない。

 

でも、そんなくだらない事があの頃は生死を揺るがすような事件だった。

 

例に漏れず、私も小学校6年、中学校3年の時に半年以上仲良しグループから無視された時期がある。

 

そして、中高で私は3人の男の子に告白し全員に振られたという輝かしい経験もある。

 

これらは私の心に強烈に刻まれ、私が私自身を判断するにあたり大きな影響を与えた。

 

私はこれまで地元での子供の頃の自分にネガティブなイメージを持って居た。

 

いつの日か、かつてのMixiで高校時代のクラスメートから急に連絡を貰った時も、10年も経ってオンライン上で発見したからと言って連絡を取ろう、と思う対象では私はないと思っていたのでとても驚いたのを覚えている。

 

今回当時の友達からの大量の手紙を読んで、人間の記憶がいかに曖昧で且つバイアスの掛かったものかという事を知る事となった。

 

私は確かに無視もされていたし、意中の男の子からはことごとく振られた。それは事実だ。

  

でも、どうやら男女問わず姐御的な感じで慕われている存在であったようだ。

 

背も高く、恵まれた身体のお陰で力が強かったせいでつけられた、なにやらもの凄く強そうなあだ名は、笑いものとしてではなくて一目置かれていたが故という方がどうやら正しいようだ。

 

学校行事をする時はことごとく中枢のポジションを任され、卒業後はクラス会やってーとお願いされるような求心力があったようだ。

 

写真はふざけてる事が多く、私が提案したのであろう団体ポーズの写真も沢山あった。

 

その本来の私になんと好意を寄せてくれていた人も複数人いたようだ。

 

このブログでも書いた事があるが、私は真面目で頼りがいのある、という自分の本性にコンプレックスを持ち、明るく華やかで守ってあげたくなるような女性に憧れていた。

 

そんな風になりたかった。

 

だから、みなから頼られ、強さに一目置かれそこそこ素敵に充実していたであろうことは肯定的に記憶には留まらず「無視された」「振られた」という強烈なイメージのみが記憶に残りネガティブなイメージとなってしまったのであろう。

 

 

若さゆえ、未熟さ故ではあるにしても、非常に勿体ない事だ。

 

今回そのほとんどは廃棄処分となった。

 

段ボール箱一箱分のその「廃棄物」は、長年の時を経て最後の最後に私の子供時代の記憶を大きくポジティブに塗り替えるという大事業を成し遂げて私の元を去っていった。

 

最後まで読んで下さりありがとうございます。

 

本日の写真 :  前日道端で出会ったトカゲちゃん。とてもちっちゃくて可愛い。パチリ。

 

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